ドコモ買収と投資の業績まとめ

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ドコモの買収案件は、海外投資に失敗してからリスク回避していることが分かります。ドコモの戦略は、本業と投資分野の関連性が不透明であり、業績にあまり貢献していないことが分かりますね。


(1)ドコモ海外投資戦略の特長

ドコモは日本を代表する携帯電話会社であり、日本有数の収益性の高い会社として有名ですね。ドコモはi-modeにより巨額の収益モデル構築に成功しており、海外投資でi-modeモデルの普及を目指していました。

ドコモが海外投資した時期は、ITバブルと重なっており、海外投資は1兆円を超える損失を計上してリストラしました。ドコモが最近の投資戦略で、海外通信会社の買収や出資に消極的な理由はリスクを極小化していることが理由ですね。

ドコモの買収先は、通信業と関係のない投資先が増加していることに注目が集まっていました。ドコモとソフトバンクの買収先を比較すると、本業との関連や成長性などに大きな違いがあるため、今後の業績に注目が集まっています。

(2)大手携帯電話会社のシェア ドコモが大幅低下

携帯電話シェア2007年1月

  1. ドコモ 55.5%
  2. au 27.8%
  3. ソフトバンク 16.6%

携帯電話シェア2013年12月

  1. ドコモ 45.5% 携帯電話シェア10.0%減少
  2. au 29.0% 携帯電話シェア1.2%増加
  3. ソフトバンク 25.5% 携帯電話シェア8.9%増加
ドコモ買収と投資の業績まとめについて、2014年2月1日の週刊ダイヤモンドが報じているので見てみましょう。ドコモは携帯電話会社のシェアがトップであり、多額の利益とキャッシュフローを稼ぎ出していました。

ドコモなど携帯電話会社の特徴は、インフラとなる通信設備に多額の固定費が必要はですが、利用者が増加すると収益性が高くなります。携帯電話会社は、販売シェアが低下すると固定費の負担が大きくなるため、一般的に収益性は低下しますね。

ドコモの携帯電話契約が不調であると言われていますが、業績の伸びが鈍化した大きな要因と指摘されています。ドコモのシェアは7年間で10ポイント低下しており、キャッシュフローの余力が低下する理由となっていますね。

(3)ドコモの買収や出資一覧

  1. 2000年 AT&Tワイヤレス 1兆1000億円 16%
  2. 2000年 KPNモバイル 4000億円 15%
  3. 2000年 ハチソン3GUK 2000億円 20%
  4. 2001年 タワーレコード 133億円 50%
  5. 2001年 楽天Edy 57億円 5%
  6. 2005年 三井住友カード 987億円 34%
  7. 2005年 KT 非開示 6%
  8. 2006年 フジメディア?ホールディングス 208億円 3%
  9. 2006年 ローソン 91億円 2%
  10. 2006年 PLDT 1707億円 9%
  11. 2006年 日本テレビホールディングス 134億円 3.3%
  12. 2007年 ファミリーマート 90億円 3%
  13. 2009年 mmbi 300億円 60.5%
  14. 2009年 タタの通信部門 2667億円 27%
  15. 2009年 エイベックス通信放送 21億円 30%
  16. 2012年 らでぃっしゅぼーや 63億円 90%
  17. 2013年 マガシーク 24億円 75%
  18. 2013年 日本アルトマーク 27億円 77.5%
  19. 2014年 ABCホールディングス 非開示 51%
ドコモの買収や出資一覧を見ると、ドコモの競争力が最もあった2000年頃に、海外の通信会社に巨額の出資を行っていることが分かります。ドコモの買収や出資案件は、2000年に巨額の出資を行った後に、毎年約1兆円の営業キャッシュフローがあることを考えると少額の案件が増えていますね。

ソフトバンク協調融資が最大の理由をまとめましたが、ドコモとソフトバンクは買収や出資の方針で大きな違いがあると分かりますね。ドコモは利益の範囲内で少額の出資は多いですが、ソフトバンクは銀行融資や社債で資金調達をして経営権を取得していることが分かります。

ドコモの経営方針は少額出資ですが、リスク回避のメリットはあるものの、経営への影響力が低いうえに成功しても収益の恩恵が少ないデメリットがあります。ドコモとソフトバンクの今後を見ていくうえで、買収戦略や金融戦略の違いが注目を集め続けている理由ですね。

(4)ドコモのサービス事業向け投資 業績一覧

  1. dショッピング オークロンマーケティング 594億円 38億円
  2. dショッピング らでぃっしゅぼーや 211億円 -8.7億円 2013年2月期の当期純損益
  3. dショッピング タワーレコード 555億円 -6.5億円 2013年2月期の当期純損益
  4. dファッション マガシーク 95億円 -6.8億円
  5. dフード(仮称) ABCクッキングスタジオ(ABCホールディングス) 168億円 黒字
  6. ヘルスケア関連 日本アルトマーク 不明
  7. iボディモ ドコモ ヘルスケア 不明
  8. NOTTV mmbi 11億円 -215億円
  9. dアニメストア ドコモ?アニメストア 7.7億円 -3.2億円
  10. dビデオ(BeeTV) エイベックス通信放送 不明
  11. ドコモ インサイトマーケティング 5.7億円 -1.8億円
ドコモの投資案件は赤字の案件が多いため、本業との相乗効果をどうのように発揮するのかがポイントになります。ドコモは売上高4兆円、営業利益1兆円の日本を代表する企業であるため、収益に与える影響は限定的となっています。

ドコモは携帯電話のシェアが大幅に低下しているうえに、多額の利益をどういった成長分野に投資していくのかが不透明であると言われています。ドコモ買収と投資の業績まとめを見ると、ドコモの通信事業と関連性の薄いものが多いため、経営戦略が理解しにくいと言えますね。
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