(1)ソフトバンクとauの利益好調とドコモ利益減少の理由
ドコモは、iPhoneを販売していないですが、ソフトバンクとauはiPhoneを販売していることで業績好調を持続しています。- 人気機種を販売できる 消費者は高くても購入 販売促進費用は安くてよい
- 人気機種を販売 できない消費者は高いと購入しない 販売促進費用は高くなる
ドコモなど携帯電話会社は人気機種を販売すると、消費者は多少高くても携帯端末を購入しますが、人気機種でなければ値下げをする必要があります。
(2)ドコモの販売促進費用の増加
ドコモiphone5発売しない理由について、2013年5月11日のBusiness Journalが、ドコモ、iPhone販売拒む3重の壁…「今年確実」「絶対ない」業界内で割れる見方を報じているので見てみましょう。13年3月期、流出食い止めのため代理店へ支払ったドコモ端末値引き販売補填費やキャンペーン費用などの販促費は、前期比6%増の1兆1617億円という巨額に上った。それでも、キャリア(携帯電話会社)を乗り換えられるMNP(番号持ち運び制度)の年間累計は140万9500件の転出超過と過去最悪。ドコモは、携帯電話契約者の解約が続いていますが、携帯電話の販売促進費用に多額を投資しています。ドコモとauやソフトバンクを比較すると、iPhone5を発売しているのかどうかですが、なぜ発売しないのか理由を見てみましょう。
(3)ドコモがiPhoneを販売する予定だった
「実は、iPhoneの国内独占販売権はドコモが手にするはずだった」と、NTT元役員は打ち明ける。
アップルが08年にiPhoneを国内に投入する際、その販売代理契約で競ったのはドコモとソフトバンクだった。当時は技術的にも規模的にもソフトバンクを圧倒していたドコモ本命で交渉が円滑に進んだ。ところが、交渉が詰め段階に入ると、「アップルが突然、法外な要求を突き付けてきたのでドコモは交渉を打ち切り、ソフトバンクが漁夫の利を得る形になった」(同)という。ドコモとソフトバンクが、iPhoneの販売権を競っていたようですが、ドコモは日本有数の大企業ですので、アップルとの交渉を有利に進めていたようですね。
ドコモがiPhoneと独占契約を手にするはずであったとしていますが、なぜドコモがiPhoneを販売できていないのか見てみましょう。
(4)ドコモの特許開示がiPhone販売の条件
その要求の内容とは「独占販売権を与える代わりに、NTTの研究所が保有する携帯電話のすべての特許技術を開示せよという、とうてい呑めない要求だった」(同)というのだ。これが本当だとすれば、ドコモが反発をしたのは当然といえよう。誰が考えても、商品供給と引き換えに、数十年にわたって蓄積してきた特許技術を社外に開示などできるわけがないからだ。ドコモがiPhoneを販売する条件に、ドコモの特許を開示することが条件として提示されたようですね。管理人が気になるのは、ドコモの特許を開示するメリットが本当になかったのかです。
2013年8月の段階で、ドコモ サムスン撤退と不買理由を見るとGALAXYを外していますが、iPhone導入の是非について決断がいまだできないようですね。
(5)ドコモがiPhone販売で得られた利益は数兆円
- ドコモは特許開示により特許料収入を得ることができる
- ドコモがiPhoneを販売していれば、国内シェアは圧倒的に伸びており、auやソフトバンクの追撃を許さなかった
- ドコモはiPhone販売で数兆円の利益を得た可能性がある
- 2011年3月末 総契約者数 1億1954万件 ドコモ48.6%
- 2012年3月末 総契約者数 1億2818万件 ドコモ46.9%
ドコモがiPhone販売で、市場シェアを取り戻していれば毎年の売り上げは10%増加の可能性もありますので、累計で数兆円の利益上積みを狙えていました。
(6)ドコモの投資分野
KDDI参入直後の11年11月にドコモが発表した中計では「産業・サービスの融合による新たな価値創造」を掲げている。それに向け映像、電子書籍、クレジットカードなど携帯電話との親和性が高い8分野の事業領域に戦略投資を行い、15年度に11年度比約2.5倍の約1兆円の売上を目指すとしている。
この壮大な計画は、同社が「ドコモスマホ」のOSに採用している米グーグルのアンドロイド上のアプリを前提にしたものだという。ドコモはiPhoneなどの端末販売に頼らずに、顧客一人当たりの単価を増やすための投資を続けてきましたが、アンドロイドが前提であったようですね。
ドコモの投資計画を見ると、本業の通信分野以外にも、サービス分野の投資を重点的に行っている事がわかります。ドコモの決算を見ると、販売促進費用に多額を投じており、サービス分野重視により業績は伸びていないですね。
(7)iPhone導入と国内の携帯電話機メーカー
これに激高したのが「旧電電ファミリー」と呼ばれる国内の携帯電話機メーカー。iPhone販売にドコモが参入するようになれば、アップルと比較し事業規模で劣る国内携帯電話機メーカー勢はたちまち苦境に追い込まれるからだ。
「我々と皆さんは一心同体。これからも共存共栄でと言っていたのは二枚舌だったのか」と、あるメーカー役員は憤慨している。これまで、旧電電公社時代から技術提供などにより携帯電話機メーカーを育ててきた施策が、iPhone参入阻害要因になっているのだ。ドコモがiPhone導入をためらった理由は、国内の携帯電話機メーカーとの関係でしがらみがあったことも理由のようですね。NECスマホ撤退 ドコモの影響を見ると、国内メーカーの選別を行っており、iPhone導入のハードルは下がっていることが分かりますね。
(8)ドコモの株主
- NTTの筆頭株主 財務大臣
- ドコモの筆頭株主 NTT
ドコモiPhone5発売 販売台数減少を見ると、iPhone販売後に携帯電話契約者数が最大規模の減少となっています。ドコモは利害関係者の調整に時間がかかっている間に、iPhone販売開始に出遅れており、サービス面や在庫など総合的なサービスが求められそうですね。