(1)ドコモとソフトバンクの比較
ドコモとソフトバンクを比較すると、ビジネスモデルや企業買収に対する投資戦略が大きく異なることが分かります。ドコモの社債金利をソフトバンクと比較すると、財務体質にかなりの違いがありますが、株価は企業の成長期待を反映していることが分かると思います。
(2)ソフトバンクがNTTの時価総額を超える
ソフトバンクNTTの株価を抜いた理由について見ると、ドコモの成長期待があまりないことが大きな要因のようですね。- ソフトバンク時価総額 5兆3473億円 2013年4月3日株価の終値
- NTT時価総額 5兆3391億円 2013年4月3日株価の終値
ソフトバンクが、時価総額でNTTを追い抜いているのは、NTTドコモよりも成長戦略と投資戦略が明確である点が評価されているようですね。
(3)NTTの時価総額とNTTドコモ
NTTの5兆3391億円を追い抜き、通信で時価総額首位のNTTドコモにあと約6600億円に迫った。海外企業の買収など明確な成長戦略を打ち出している点が投資家に評価されている。ドコモ海外投資の失敗でまとめましたが、NTTドコモの筆頭株主は3分の2を保有するNTT持ち株会社です。
ドコモの投資戦略成功の有無が、NTTの時価総額に大きく反映されるため、株価の伸び悩みは将来性を市場が評価していないことを意味します。
(4)ソフトバンクの投資戦略と成長性を市場が評価
NTT株の年初からの上昇率が11%にとどまる一方、ソフトバンク株は4割に達する。「この1年で海外投資家から最も問い合わせの多かった銘柄」(BNPパリバ証券)という。昨年は米国携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収を発表。携帯事業の基盤を整備し「世界トップを狙う」(孫正義社長)構えだ。ソフトバンクとNTTの株価上昇力に大きな差がありますが、海外投資家からの問い合わせが多いということは、外国人投資家からの買いも注目ですね。
ソフトバンクはスプリントを買収しますので、外国人投資家からの注目を今までよりも、集める可能性があるのではないでしょうか。
(5)ソフトバンクとドコモの利益
ソフトバンクの2014年3月期連結営業利益のアナリスト予想平均は7978億円で、13年3月期から7%増える見通し。一方、NTTは同1%増の1兆2252億円、NTTドコモも同1%増の8308億円にとどまる。利益成長力への期待から今後はNTTドコモとの時価総額の差も縮まる可能性がある。ドコモとNTT持ち株会社、ソフトバンクの営業利益予想について比較してみましょう。
- NTT 2014年3月期連結営業利益のアナリスト予想平均1兆2252億円
- NTTドコモ 2014年3月期連結営業利益のアナリスト予想平均 8308億円
- ソフトバンク 2014年3月期連結営業利益のアナリスト予想平均 7978億円
ドコモとソフトバンクの株価を比較すると、ソフトバンクのように成長戦略と投資戦略を示せなければ、時価総額で逆転する日が近いのかもしれないですね。 スポンサードリンク