(1)ドコモ海外投資と会社の出資買収
ドコモは、海外投資失敗により1兆円以上の損失を計上しており、NTT持ち株会社から海外投資への制約が課されていました。ドコモは、国内企業へ出資や提携を行い、顧客基盤を生かしたビジネスモデルの強化と投資戦略を行っていました。ドコモは、海外買収計画を検討するようであり、ソフトバンクのスプリント買収に対抗して買収戦略を実行する可能性があるようですね。ソフトバンク銀行融資とスプリント買収(7)で、ソフトバンクが買収に必要な資金を銀行融資で素早く調達していることをまとめましたが、ドコモは手元資金を用いるのか注目があつまりそうですね。
(2)ドコモの海外投資再開に加藤社長が言及
ドコモが海外企業の買収計画を用意していることを、2013年2月27日の産経bizがドコモ M&A再開の構え ソフトバンクのスプリント買収受け対抗と報じているので見てみましょう。NTTドコモはライバルのソフトバンクが米国でスプリント・ネクステルの過半数株式の買収をまとめたことを受け、アジア以外の電話会社への投資を再開する用意を整えている。加藤薫社長兼最高経営責任者(CEO)が明らかにした。ドコモは、ソフトバンクがスプリント買収したことを受けて、海外企業への投資を再開する準備を整えているようですね。ドコモは日本を代表する企業ですので、毎年1兆円前後の営業キャッシュフローを積み上げており、投資余力は十分にあります。
(3)ドコモの手元資金
- ドコモの保有現金 3400億円
- ドコモの保有現金 1800億円減少
- ドコモの大型買収 ソフトバンクのように資金調達が重要になる
ドコモがソフトバンクと同様に、1兆5000億円以上の買収に踏み切るのであれば、大型の資金調達方法を検討する必要はありますね。ドコモの投資戦略を見ると、大型の買収案件は実行していないことが分かります。
(4)ドコモのサービス事業強化
昨年6月に就任した加藤社長は日本の人口減少や市場の飽和で主力の携帯電話事業が伸び悩んでいることから、健康や小売りに関連するサービスを強化することなどで増収を目指している。ドコモ ビジネスモデルと投資戦略を見ると、通信事業と異なる分野に出資することで、顧客基盤を生かすことのできるサービス強化を行ってきていました。ドコモの経営戦略として、投資先は意図しているもののようですが、実態を見ると評価は厳しくなっても仕方がないですね。
ドコモ買収と投資の業績まとめは、ドコモの投資案件が少額化しており、本当の通信分野と関係のない投資が増加しています。ドコモの投資先の業績を見ると、ドコモの本業に対して利益面の貢献はほとんどないことが分かりますね。
(5)ドコモがモバイル事業の投資を示唆
ドコモは最近、コンテンツなどの取得に重点を置いてきたが、加藤社長はモバイル業界の持続的成長という性質からこの業界で買収を行う価値はあろうとの認識を示し、業界動向を絶えず注視し、良い案件があれば投資する可能性があることを明らかにした。ドコモはモバイル事業の投資を示唆しており、ドコモが海外事業の投資に踏み切るのかどうか注目が集まりそうですね。ドコモの投資戦略を見ると、通信分野以外に投資したとしても、ノウハウが不足しているため、業績面での成功は難しい可能性があります。
(6)ドコモが過半数の株式出資の可能性
同社長はさらに、ドコモが従来行ってきたような過半数に届かない出資に必ずしもこだわらない考えも示した。その一方で、買収に充てる可能性のある資金の規模や注目している具体的な地域については言及しなかった。ドコモの海外企業買収計画は、ソフトバンクがスプリントを買収したように、過半数の株式取得を行い積極的な経営関与を行う可能性を示唆しています。 スポンサードリンク