(1)ドコモ社債発行の理由
ドコモが社債発行の理由について見ると、社債償還資金の確保と割引券を配布することで、携帯電話契約の維持と拡大を狙っていることが分かります。ドコモの社債発行の理由に対して、ソフトバンクは社債発行の資金をスプリント買収資金に充てることになります。ドコモとソフトバンク社債の金利を比較すると、両社の財務状況に大きな違いがあることが分かりますね。
(2)個人投資家向け社債の発行増加
NTTドコモ社債など個人向け社債の金利や発行金額について、2013年3月13日の日経新聞夕刊1面が比較しているので見てみましょう。主要企業が個人投資家向け社債の発行を増やしている。2013年1~3月の発行総額は5400億円程度と、四半期ベースで11年10~12月(6428億円)以来、およそ1年ぶりの高水準となる見通しだ。金利低下が進むなか、預金や国債に比べて利回りが相対的に高い金融商品として、人気を集めている。個人投資家向けの社債が、NTTドコモやソフトバンク以外にも社債発行に力をいれている企業が増えているようですね。
- 2013年1~3月の発行総額は5400億円程度
- 2011年10~12月の6428億円以来の高水準
- 預金や国債と比較して、利回りが相対的に高い金融商品として人気
(3)個人向け社債の発行
個人向け社債ではオリックスが3月下旬に5年物を250億円程度発行する予定。NTTドコモも28日に5年物を600億円発行する。ソフトバンクは12日に4年物を3000億円発行した。同社債は事業会社の個人向け社債では過去最大規模となった。個人向け社債の発行について、NTTドコモやソフトバンク以外の各社も見てみましょう。NTTドコモとソフトバンクを比較すると、利回りがドコモのほうが低く、償還年数が長いことからドコモのほうが信用力が高いことが分かります。
(4)NTTドコモやソフトバンクの社債比較
- 1月発行 東芝の4年物は0.62%
- 1月発行 東武鉄道3年物は0.47%
- 3月12日 ソフトバンク4年物を3000億円発行 利回り1.47%
- 3月28日 NTTドコモ5年物を600億円発行 利回り0.21%
- 3月下旬 オリックス5年物を250億円程度発行
NTTドコモとソフトバンクを比較すると、利回りはドコモの方が低いですが、他社を見るとソフトバンクの利回りが高いことが分かると思います。
(5)ドコモなどの個人向け社債は投資需要がある
発行が増えているのは国債などに比べ利回りが高く、個人の投資需要が旺盛だからだ。NTTドコモの5年物社債の利回りは0.21%と同じ年限の国債利回り(0.1%程度)を上回る。ソフトバンクの4年物の利回りは、1.47%。1月発行の東芝の4年物は0.62%、東武鉄道の3年物は0.47%だった。NTTドコモの社債利回りを見ると、国債利回りよりも高いですが、金利はわずかに高い程度ではないでしょうか。NTTドコモの社債利回りを見ると、個人向け社債の投資需要があることが分かりますが、ドコモ社債発行の理由で紹介した、端末の割引特典の効果がどの程度あるのかも気になりますね。 スポンサードリンク